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組織はその業務内容によって生産部門と非生産部門とに分類されることがしばしばあります。
たとえば事務職という仕事の場合は、どちらに分類されるでしょうか。おそらく、非生産部門の
イメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
では、医療事務という仕事はどうでしょう。明らかに事務という名称が使われていますので、や
はり非生産部門とお考えになる方が多いと思います。しかし医療事務という仕事は決して非生
産部門ではなく、生産部門だといえるのです。
そんな医療事務の業務として受付業務は、カルテの作成などが代表的な業務となります。受
付とは来院された方が最初に訪れるため、その医療機関の第一印象を植え付けてしまうという
面でも重要な部署といえます。
たとえば、皆さんが医療機関を受診したときに、受付の対応が事務的で不快感を持ったとした
ら、次に体調が悪くなったときに再度同じところを受診したくないですね。確かにその医療機関
の評価は、医療事務職員の対応に関係しているわけではありませんが、医師・看護師など、
直接医療行為に関係するスタッフも大きく関係しています。
しかし、事務対応も医療機関の評価に大きく影響するということを認識したほうがよいでしょう。
現在は患者さんが病院を選ぶ時代となっています。このような点からみても、受付業務の重要
性は極めて高いといえるでしょう。
■ 高度な知識と経験が必要なレセプト点検の進め方
レセプト点検は、医療事務職員にとってかなり重要な業務といえます。特に内容点検について、
高度な知識と経験が必要になります。そういった意味から、内容点検ができて初めて一人前の
医療事務職員といえるかもしれません。医療機関で行われている医療行為が同じであっても、
医療事務職員の知識によって算定される点数が異なることは起こりうるのです。
まず、点検業務は大きく2つに分類されており、事務点検と内容点検といったものがあります。
一般的に事務点検とは、レセプトの上書き部分の点検レセプトの記載内容が、カルテの記載と
一致しているかどうかを確認することを言います。内容点検とは、診療内容と病名について医学
的、診療報酬点数制度的に整合性があるかを点検することを言います。
基本的なこととして、レセプト作成のルールや提出期限について確認しておきましょう。日々の、
受付から診療、会計で蓄積されたデータを、診療報酬明細書に一ヶ月分まとめて記載します。
また、診療報酬の算定では、同一月に一回しか算定できないと規定されているものが多くあり
ます。一例として、検査判断料などがそうですが、外来ですでに検査を実施し判断料を算定して
いる場合、入院で同様の検査を実施しても判断料を算定することはできないことになってます。
多くの医療機関では医事コンピュータを使用して処理しますので、自動的にチェックがかかるシ
ステムになっていると思われますが、知識として認識しておくことが必要です。医業収益はレセ
プトからなっています。
患者さんが来院され診療を行い、一部負担金をお支払い頂き、残りの診療費を算定するのが
レセプトです。したがってこのレセプトが正しく作成されず算定漏れや算定間違い、記載間違い
などで本来医療機関が得られる診療費が減額されていたとしたら・・・当然、医療機関の運営は
かなり厳しいものとなります。
このように重要な意味を持つレセプトを点検するのが医療事務職員です。点検の精度によって
医療機関の収入が大きく異なることになります。
■ 請求業務の進め方と基礎知識
医療事務の仕事で欠かすことのできないのが、請求業務です。請求業務は、病院や診療所、
調剤薬局など、いわゆる保険証を扱う機関では必ず発生する業務です。これらの機関での収
入は、すべてこの請求業務すなわちレセプト作成と一部負担金の算定からなっています。
この請求業務は、医科系においては診療報酬点数制度に基づいて算定されます。この診療報
酬点数制度では、診療行為のすべてが点数で規定されています。たとえば初診料は270点と
定められていますが、全額に置き換えると2700円ということになります。
一部負担金とは、皆さんが医療機関の窓口でお支払いになるお金のことになりますが、この
ケースの場合、2700円の3割を負担することになり、 810円を窓口で支払うことになります。
レセプトでは、診療費の全体の点数を記載し提出しますが、実際に保険者から医療機関に振
り込まれる診療費は、一部負担金を差し引いた金額となります。